自己理解を進め、自分の興味や適性・スキル・強み・弱みなどが明確になったら、興味のある業界や企業の研究に取り組みます。ここでは、「“研究”って言うけど、その方法は?」「なにから始めれば…」と迷っているあなたに、「業界研究」「企業研究」の重要性や取り組み方をご紹介します。
目次
- 「業界研究」「企業研究」はなぜ必要なのか?「自己理解」はなぜ必要なのか?
- 「業界研究」「企業研究」の取り組み方
- 書籍やパンフレットで研究
- インターネットで研究
- webサイト
- 投資家向け資料やアニュアルレポートなど
- SNSやブログ
- 転職口コミサイト
- webニュース
- 企業の人に会って研究
- 企業説明会や合説など
- 講演会やイベント
- OB、OG訪問・同社、同業社の知り合い
- まとめ
1 「業界研究」「企業研究」はなぜ必要なのか?
理由1 強い書類が書けるようになるから(=選考突破率が上がるから)
就活において、応募書類全体でアピールするのは「自分と企業が、いかにマッチしているか」「マッチしているから、自分を採用するとお得ですよ」ということ。応募しようとしている企業のこと、業種のこと、業界のことを理解できていなければ、そもそも自分がその会社に合っているかわからず、作成する書類の説得力が欠けてしまいます。
「御社は〇〇だ。だから私の△△という強みで貢献できると考え志望しました」
〇〇の部分が、業界研究・企業研究で明らかにする箇所
△△の部分が、自己理解で明らかにする箇所です。
説得力のある書類を作成するには、「自己理解」を深め、その上で「業界研究・企業研究」をし、相手(企業)を理解することが不可欠です。
理由2 ミスマッチを防ぎ、長く働ける企業と出会うため
業界研究・企業研究が不足していると、「よくわからない業界・業種」「よくわからない企業」に応募することになりますよね。これでは、企業側にも失礼になりますし、もし入社したとしても「こんなはずじゃなかった!」と悩んだり、働くモチベーションが保てなかったりする事態になりかねません。
早期離職せずに済むよう、自分が応募しようとしている業界や業種・企業のことは事前によく調べ勉強するようにしましょう。
理由3 興味のある業界や企業の幅が広がるから
あなたはどれくらいの数の業界、業種、企業を知っていますか?
業界は、大きく分けると8業界
業種は、約1万7000種類
企業は、約170万社
もあります。
私達がイメージできるのは、今まで生きてきた生活の中で目にしたり聞いたりしたことや、その周辺のことにどうしても偏りがちです。業界研究・企業研究にしっかり取り組めば、「こんな仕事があったのか!」という新しい発見があります。その中には、よりあなたに合う仕事があるかもしれません。長く働き続けられる業種や企業に出会えるよう、今はまだ知らない情報もすすんで掴みにいきましょう。
2 「業界研究」「企業研究」の取り組み方
興味のある業界や業種、企業のことはもちろんですが、関連する業界や業種、企業のことも調べられると「どうして他社ではなくうちを志望するのですか?」という質問にも答えやすくなります。他と比較するからこそ、自分が志望する業界や業種、企業の魅力が明らかになることもあります。
取り組み方1 書籍やパンフレットで研究
本屋さんに行くと、「業界地図」「〇〇業界のことがよくわかる!」といったコピーを謳った、いわゆる「業界研究本」がたくさん売られています。各業界にどんな企業があるか、これから伸びると予想される業界はどこなのか、各業界は今どんなことに関心が高いのかなど、図解やグラフ・相関図などでわかりやすく掲載されています。発行年が最新の書籍を参考にするようにしてください。社会情勢の変化により、古いものは情報が正しくなくなっていることがあります。
各企業が発行している企業パンフレット、商品パンフレット、採用情報パンフレットも大切な情報源です。企業説明会などのイベントで手に入れる機会が多いと思いますが、企業の基本的な情報や理念、大切にしている想い、商品の特徴、ビジネスモデル、求める人物像など、書類選考や面接を突破するための基礎となる大切な情報が詰まっています。しっかり読んでおきましょう。
取り組み方2 インターネットで研究
webサイト
興味のある業界の企業、応募しようとしている企業の公式webサイトはしっかり確認を。事業内容や沿革、経営理念などの基本的な情報は、企業情報ページに掲載されています。
採用サイトがある場合や、すでにその企業が求人情報サイトに情報を掲載している場合は、こちらも必ずチェックしてください。
- 給料や勤務地、福利厚生などの条件面
- 採用フロー
- 募集している職種が具体的にどんな仕事なのか
- どんな価値を企業に提供しようとしているのか
- どんな人が働いているのか
社員インタビューに掲載されている社員の方は、企業側が社外に紹介したい方・求める人物像である方が掲載されています。その社員の方の仕事に対する姿勢や物事の考え方にあなた自身が共感できるか、自分もそうなりたいと思えるかどうかもひとつの指標にしてみてください。
投資家向け資料やアニュアルレポートなど
投資家向け資料、アニュアルレポート、統合報告書、事業報告書、中期計画書などの資料も業界や企業のことを知る上で重要な資料です。企業規模によって公開している資料は違ってきますが、「企業情報」「株主・投資家向け情報」などのwebサイトのページから辿り着けたり、「株式会社○○ アニュアルレポート」などのワードで検索することでヒットすることもあります。
各資料からは、現在の企業の状況や考えていること、自社の強み、抱えている課題、今後の事業戦略などの情報を得ることができます。一般の人にもわかりやすく書かれていることが多いので、ぜひ目を通してみてください。
SNSやブログ
企業が運用しているSNSやブログは、最新の動向や考え方を知ることができます。また、職場の雰囲気や社員同士の関係性などを発信しているケースも多く、社風を感じ取ることで自分が企業に馴染めそうか考えることもできるのではないでしょうか。
企業の公式アカウントはもちろん、社員や人事担当の方がご自身の名前やあだ名を公表して発信しているアカウントもあります。
口コミサイト
口コミサイトは性質上、ネガティブな情報・実態が掴めない情報が集まりやすいので、活用の仕方には注意しましょう。口コミサイトは、以下のような内容が参考になります。
- その企業の人事制度・評価制度がどのような仕組みのものか
- 昇進の流れやキャリア開発の道筋
- 社内にある独自のルールや慣習 など
最近では、企業のポジティブな情報を掲載する媒体も増えています。匿名の個人の声が掲載されていることを前提に、情報に惑わされすぎないよう注意し、うまく活用しましょう。
webニュース
ニュースサイトの検索窓に、企業名や業界名、関連するワードを入力し検索すると、参考になるニュースやプレスリリース、インタビュー記事がピックアップできます。業界の課題や動向、各社が力を入れている事業について最新の情報を手に入れることができます。
取り組み方3 企業の人に会って研究
企業説明会や合説など
気になる企業が説明会を開く機会があれば、企業研究の絶好の機会です。また多くの企業が一堂に会する合同企業説明会は、お目当ての企業だけでなく様々な企業の情報に触れることができるので、興味の幅が広がるかもしれません。インターネットで「大阪 合説」「株式会社〇〇 説明会」などのキーワードで検索してみましょう。
最近は、オンラインで開催するケースが増えていますので、パソコンやスマホ・イヤホン・wi-fiなどの機材やネットワークの環境を整えておきましょう。
講演会やイベント
経営者や社員が講演会に登壇する機会やセミナーやイベントのゲストになっている機会があれば、ぜひ話を聞きに足を運びましょう。テーマがどのようなものであったとしても、人柄や考え方、大事にしていることなどは共通で伝わってくるはずです。
OB、OG訪問・同社、同業社の知り合い
OB、OG訪問が可能であれば、ぜひ機会をつくっていただけるようにアプローチしましょう。OB、OG訪問が難しい場合は、その企業で働く人・同じ業界で働く人の知り合いがいたらぜひ話を聞いてみましょう。
その際、「自分がどんな仕事や働き方・暮らし方をしたいと思っているのか」「3年後・5年後はこんなポジションでどんな仕事をしていたい」といった自分のキャリアのイメージをある程度持って臨みましょう。「自分の望むキャリアは、この企業で頑張れば実現できるか」「今の自分に足りないものは何なのか」についてアドバイスをいただくことが、より自分に合った業界や企業との出会いにつながっていくでしょう。
3 まとめ(企業研究シートつき)
『ピンとくる企業』とずっと出会えず就活のモチベーションが下がっていた人が、自分が好きなことを存分に発揮できる業種・企業を発見した途端、やる気に満ち溢れ、書類や面接にも熱が入り、本当に入社できた!というケースが過去にありました。
たくさんの業界・業種・会社を知ることは、「こんなおもしろそうな仕事があったんだ!」という発見につながり、きっと楽しくなってくるはずです。
業界・企業研究のやり方は、いろいろあります。「これだったら自分も取り組めそうだな」と感じるものから始めてみてください!