ありのままで「自分らしく働くこと」を話し合える。
2018年度「LGBTs コミュニティスペース for Work」実施レポート
OSAKAしごとフィールドが、2018年4月より月に1回実施している「LGBTs コミュニティスペース for Work(以下コミスペ)」。
LGBT等性的マイノリティの方や「そうかもしれない」と感じている方が、働いたり仕事探しをする上での想いなどを、
ありのままで話し合い、「自分らしく働くこと」に向かって意見交換等をできるスペースです。
2018年度のコミスペがどのような内容だったのか、レポートにまとめました。
「参加してみたいけれど、具体的に何をやっているのかわからない」「どんな人が参加しているの?」という方、ぜひご覧ください!
「LGBTs コミュニティスペース for Work」概要はこちら
SECTION 01開催のきっかけ
コミスペ開催のきっかけとなったのは、2017年11月23日(木・祝)に実施した「大阪LGBT100人会議」。
みなさんの働くことへの「想い」や「課題」等の意見抽出をおこなった際に挙がってきた声が
「就活や仕事の話をするときに、セクシュアリティについてもふつうに話せたらいいのに」
「みんなはどうしているのか、安心して意見交換できる場が欲しい」というものでした。
「LGBTs コミュニティスペース for Work」は、そんなみなさんの思いから生まれた場所です。
SECTION 02参加者同士の意見交換の場
コミスペでおこなっているのは、参加者同士での意見交換。
話してみれば「あるある!」と共感したり、参考になったりと、自分の声が誰かの助けになるかもしれません。
定員は15名、通常スタッフは3名が参加しています。
参加者のセクシュアリティ・年齢・雇用状況・職場環境などはさまざま。
セクシュアリティを含め、それぞれの状況について無理に話す必要はありません。
ただ、どの方に対しても当てはまる「正解」はないので、交わされた意見を参考にするかどうかはご自分で判断していただいています。
(お仕事終わりでも参加しやすい夕方に、ドリンク片手に話し合います。)
SECTION 03実施内容
2018年度「LGBTs コミュニティスペース for Work」は、下記のようなタイムテーブルで実施しました。
① オープニング
まずは趣旨説明の後、参加しているみなさんが安心して過ごせるように、グランドルールを確認します。
その後、「呼ばれたい名前」「参加理由」などの簡単な自己紹介をおこないます。
- 他の人の話は最後まで聞いてから発言しましょう。
- 自分のセクシュアリティについて、無理に話す必要はありません。
- ここで聞いた話は、相手に確認してから話すようにしましょう。
- お住まい、勤務先など個人情報に関わることを話す際は注意しましょう。
- 連絡先を聞かれて、教えるか迷った時は断りましょう。
- 居心地が悪いなぁと感じたら、席を外しても構いません。
- 答えを出す場ではありません。
- ここで交わされる内容を参考にするかどうかは自分で判断しましょう。
- 個人の具体的な就職活動に関する相談は、キャリアカウンセリングをご利用ください。
② アイスブレイク
初対面だったり、はじめての空間って緊張しますよね。
そこで、まずは準備運動として簡単なワークをおこないます!
裏表に「YES」と「SKIP」が書かれた札を使って、次々に出される二択の質問にテンポよく回答。
同意するときには「YES」、違う意見の場合は札を上げず、話したくないとき・どちらでもないときなどは「SKIP」を使います。
(意見交換の場でも、遠慮なく「SKIP」を使っていただけます。)
③ トークテーマ決め
2018年度は各回の参加者が話したいテーマを挙げて、トークテーマを決めました。
過去に取り上げられたテーマを参考にしながら、それぞれが話したいテーマを書き出します。
「就職活動中」「上司や同僚の理解」「職場環境」「仕事とパートナー」など、
みなさんが話し合いたいテーマをテーブルごとに分類して、各テーブル4〜5人、合計2〜3テーブルに分かれます。
約30分の意見交換を2回おこなうので、もし話したいテーマが2つあった場合は、
途中で別のテーブルに移動してテーマ替えをしていただけます。
④ 意見交換
過去に同じテーマを取り上げた場合でも、参加メンバーによって話される内容はそれぞれ!
前半30分が経った頃には、各テーブルでどんな話が展開されていたのか全体に共有し、別テーマの内容に興味があれば移動します。
- これから始まる就活が不安な大学3回生
- 性別適合手術のために前職を辞め、LGBTフレンドリー企業への転職を考えている方
- 当コミスペで初めてカミングアウトをされた方
- カミングアウトしないまま内定が決定し、在職中の方の話を聞きたい大学4回生
- LGBTフレンドリー企業に就職したけど、まだカミングアウトされていない方
⑤感想共有&フリータイム
各テーマで話された内容の共有や、コミスペに参加された感想を話して、意見交換は終了!
その後のフリータイムでは、アンケートや経験談シート(※)の記入、
LGBTsに関する書籍や他の方が書かれた経験談の閲覧、雑談をして過ごします。
「働くこと」に関する経験を共有するシート(任意)。匿名にて取りまとめ、同じ回に参加できなかった方や、LGBTsについて理解を深めたい企業さんへお届けします。みなさんの経験談はこちら
- 今まではLGBTの方と面接や就活について話す機会が少なかったので、貴重な時間を過ごせました。
- 話し足りなかったので、また来ます!
- ここのコミスペはリラックスできますね。こういう場に馴染みがなくても参加しやすいです。
- 同じ悩みを持った人の話を聞けて、前向きになれました。
(LGBTsに関する書籍は、普段から館内に置いていますので、自由にご覧いただけます。)
スタッフは、勇気を出して初めて参加される方にお会いできることはもちろん、
参加された方がコミスペ内で少しずつありのままの自分になっていく様子を見たり、職場での変化を聞けることを楽しみにしています。
毎回参加者が入れ替わったり、LGBTsを取り巻く環境が変わっていることもあり、
過去に取り上げたテーマでも、以前とは違った話や学びがあります。
LGBTの方が「誰かに話したい、話を聞きたいな」と思った時にご利用いただきたいと思います。
SECTION 04ゲストをお招きする回も
コミスペでは、参加するみなさんにとって参考になる経験を持つ方や、
専門的な知識を持つ講師をゲストに迎える回も開催しています。
2018年9月25日(火)には、女優・歌手・モデルとして活躍されている麻倉ケイトさん、彼女の所属事務所代表の叶ともみさんをお招きし、
拡大版セミナー「トランス女性とその上司に聞く!『自分らしく働くこと』の作り方」を実施。
当事者かどうかに関わらず、求職者・企業どちらも参加可能なトークイベントと、当事者だけが参加可能な座談会をおこないました。
イベントレポートはこちら
OSAKAしごとフィールドやコミスペを利用して、就職された方にお越しいただき、体験談をお話しした回もあります。
2019年3月18日(月)は、「自分らしく幸せに生きる人のためのLGBTQフレンドリーなコミュニティ『Tsunagary Cafe(つながりカフェ)』」代表 阪部すみとさんを、お招きしました。
イベント詳細はこちら
- Tsunagary Cafe(つながりカフェ)代表 阪部 すみと氏
- 1976年大阪市生まれ。同志社大学商学部卒業。自分らしく幸せに生きる人のためのLGBTQフレンドリーなコミュニティTsunagary Cafe(つながりカフェ)代表。
金融機関職員、自治体職員を経て、現在はNGO職員として、地球環境問題にも取り組む。LGBTQをはじめ、誰もが自分らしくいられるサードプレイスとしてのコミュニティづくりを行うとともに、ゲイ当事者として、講演やイベント等を通して、一般社会へLGBTQ理解促進のための活動を行なっている。プライベートでは、15年目となるパートナーと一緒に暮らしている。
SECTION 05今後の開催予定
SECTION 06その他の取り組み
それぞれの具体的な就職活動に関するご相談については、ぜひキャリアカウンセリングをご利用ください。
OSAKAしごとフィールドのキャリアカウンセラーは、LGBT等性的マイノリティについての研修を受けていますので、
安心してご利用いただけます。
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その他、OSAKAしごとフィールドのLGBTsに関する取り組みについては、下記Webページをご覧ください。